矛盾をかかえる鉄部から見えてくる外壁塗装に必要なもの |
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営業・見積もり担当の松尾です。 今回は、建物の鉄部を中心にお話をしたいと思います。 鉄部とよばれる鉄で出来た鉄骨や鉄筋などが、住宅や建物のあらゆるところに使用されているのをご存じでしょうか。 実はこの鉄部、素材としては安価で強度もあり加工しやすいなどのメリットがありますが、錆びやすく建物を蝕む原因ともなるデメリットもあります。 「そんなデメリットがある素材なら使わなければいいのでは?」と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、現状ではコンクリートの強度を上げたり、建物を補強し支えるための素材として鉄が一番適しているのです。 そんなデメリットを抱えた素材にもかかわらず、この写真のように屋根の素材として使われたり、橋げたに使われたりもしています。 それ以外にも、この工事現場のような使用方法もあります。 写真の工事中の現場には、煙突のような柱が何本も経っているのが分かるかと思うのですが、これは型大工と呼ばれる型専門の大工が作る柱の型で、コンクリを流し込む前の状態です。 コンクリを流し込む煙突状の型の中には、柱の強度を上げるために鉄筋を何本も差し込みます。 もちろん鉄筋を差し込んだ後すぐにコンクリが流し込められればいいのですが、作業の工程上すぐに流し込むことはできません。 そのため、工事現場に雨などが降ったり、湿度の高い状態になると鉄筋が水に濡れたりしたことで、少々錆びが出ます。 錆がでた状態の鉄部は、水と結びつくとさらに錆びが増え、錆びは膨張して爆裂を起こします。すると、そこからコンクリートにヒビが入り壁の崩落がおこるのです。 ただ、水に触れなければ錆びは進行しないと言われているので、技術上はコンクリで真空状態にしているので問題が無いとされています。 でもそうは言っても、何かの衝撃でヒビが入った際に、そのヒビから雨水などが侵入し、錆びが進行することも。 本当はコンクリの中に異物を入れないことが、コンクリを長持ちさせる秘訣です。 でもこの異物を入れ込まないと、柱の強度がでないので、仕方なしに現在も鉄筋を入れて柱は作られています。
こうした異物を入れ込む工事は、何も大きな建物の工事現場に限ったことではありません。 戸建てなどの、玄関の叩きや土間部分には、強度を上げるために鉄の網みたいなものを敷いてコンクリを流します。 これも工事現場の柱と同じで強度をあげるために、錆に対する不安をふくんだままコンクリを流すことになります。 他にも、鉄部と同じく木部もメリットデメリットがあります。木のメリットは鉄と同じく安価で加工しやすいこと、そしてデメリットは腐りやすいことです。 こちらも使い続ける理由としては鉄と同じで、木以上に使える素材がないのです。 もっと言うと、実は未だにアスベストを超える安価で断熱性のある素材はありません。 発がん性物質があるので、もちろん今では使いませんが……建築資材にはこうしたデメリットを抱えた状態のものが多数あります。 つまりどんなに良い建築方法で建てたとしても、普通の住居や、建物にはこうした部材の弱点があり、塗装や補修はこの弱点をどのように延命措置をして上手く持たせることが必要なことなのです。
デメリットがあるのにも関わらず、使い続ける鉄部や木部。
中でも「鉄骨階段」の進化が、代表的と言えるでしょう。 数年前は、建物の外階段やアパートなどの外階段は「鉄骨階段」が主流でしたが、時代が流れて「溶融亜鉛メッキ」という錆にも強い素材が出てきました。 今では「鉄骨階段」は欠陥住宅扱いとなり、お金をかけることができる建物では「溶融亜鉛メッキ」の階段が主流となっています。 そうは言っても、未だに費用が安いから…と欠陥を分かった上で鉄骨階段を選ぶ方も。 その場合は防水のプロとして言わせてもらうと、通常のコンクリ階段で長尺シート施工時にメーカー保証を5年付けられるところを、鉄骨階段ではなんとかメーカー保証を付けられても2年が限度です。 「鉄骨階段」は、それくらい傷みやすくその後の修繕も大変なまさに欠陥のある階段なのです。 通常外壁塗装は干支が一周したらまた外壁などの塗り替えをしましょうと言いますが、鉄骨階段の場合は2年ごとに塗り替えや補修をしたほうがいいくらいです。 それを怠ると、鉄部が錆びて階段の踏面と呼ばれる床部分が抜け落ち歯抜け状態になったりします。そうなってしまった「鉄骨階段」は大修繕しなくてはならず、結局新しく高価な素材である「溶融亜鉛メッキ」の階段と同じくらいの価格になってしまうことも。 このようにトータルで見れば、新素材である「溶融亜鉛メッキ」で階段を作ることの方が事故が起こりにくい分おすすめと言えるのです。 この「鉄骨階段」と同じように、将来鉄部や木部も、それに代わる素材が出てきた際には、鉄部や木部のある住宅は欠陥住宅と言われることになるかもしれません。 だからこそ、きちんとした手入れが必要なのです。
ここまで鉄部や木部の素材の危うさについてお話しましたが、そんな危うい鉄部をさらに危険な状態で使用しているお宅もあります。 屋上にアルミではなく、鉄のフェンスをつけてらっしゃるお宅などもその例の一つです。 鉄のフェンスは、古いお宅ですと良くお見受けすることがあります。 雨ざらしの状態で、錆びがフェンスの足元を固めているモルタルの内部まで入り込み、せっかく施した屋上の防水処理を中から腐食させている状態です。またフェンスはパイプ状になっているため、中に入り込んだ錆がパイプの中を伝って、もぐらの巣穴が地中に広がるようにフェンス全体を侵食していることも。 いつフェンスが錆によって崩れたり倒れたりしてもおかしくない状態ではありますが、塗装もせずに放置している方は沢山いらっしゃいます。 アパートのオーナーさんで、こうした鉄部のもろさを理解してらっしゃる方は、鉄部だけは5年に1回は塗り替えるという方もいらいますが、でも大半の方は、10年以上放っておかれるのです。
僕は、この鉄部や木部の状態は、人間の歯と似ていると思います。 きちんと定期健診をし、ケアをしていればたとえ虫歯が見つかっても、少しだけ削って詰め物をすれば治ります。 でも、歯科検診にも行かず、痛みがあっても見て見ぬふりをしているといざ病院にかかったときは、近所の歯医者さんでは手の施しようもないほどで、大学病院で手術をすることになってしまったなどということも。 そうした歯の治療と家の鉄部、木部の補修を含む外壁塗装は同じです。 定期的に点検をし、鉄部や木部の不具合が出てきたところを補修し、少しでも長持ちをさせる。 また、付け替えるのか、取り換えるのか、それともちょっと塗ればいいのか…。 ここをしっかりと家の現状捉えることができれば、何にお金がかかり、どうすれば家が持つのかが分かります。
僕はお客様に工事についてご説明差し上げる際に、必ずメリットデメリットを両方お伝えします。その両方を理解して頂くことが、最良の方法を取るために必要な情報だからです。 家は、壊れている箇所を直したからと言って新築と同じ状態に戻るわけではありません。 今の状態から10年持たせるために、塗装と補修をしているにすぎないのです。 でもその塗装や補修は、それぞれの家によって内容が変わります。それは、全ての家によって建てられた状況、関わった工務店、使用した材料が違うからです。 同じ建売だとしても、一つとして同じ状況の家はありません。 それなので、僕は日ごろからあらゆる家の状態に対応できるよう、様々な塗料メーカーや、タイル屋、屋根屋、大工の方々と連携を取り、情報交換をして知識を深めています。 知識を得ることで、千差万別な家の症状に対応できるからです。 これだけ家によって対応が違うと、塗装の金額も全ての家が全て一緒の金額になることはまずありません。
それにもかかわらず、お見積りをご依頼される方の中には、塗装と補修の予算を「100万円」目安にしていらっしゃる方が多い印象です。 この基準がなぜ生まれたのかはわからないのですが、外壁塗装にかかる費用は100万円前後で、塗料はフッ素……とおっしゃる方が多く、僕はいつも困ってしまいます。 なぜならおおよその塗装費用の平均を出すにしても、ある程度の大きさの家でフッ素の塗料を使い、補修をしながら外壁塗装をした場合100万円ではぜんぜん足りないからです。 もちろん、塗料を可能な限り薄めて使い、工程の上で手抜きをしたら100万円も夢じゃない(?)かもしれませんが、お客様がそんな外壁塗装を望んでいるとは思えません。 どんなにアクロバティックな工事をしたとしても、100万円の予算で200万円の工事はできないのです。
弊社の見積もりを見た時に、「高い」とおっしゃるお客様はいらっしゃいます。 でも弊社が他社と比べて「高い」と感じられるのだとしたら、それは本気でこの先10年持つ家にするための最高の方法をご提示しているからです。 先ほども歯の治療の例えを出しましたが、虫歯の治療をする際に、金歯を入れるのか、セラミックを入れるか、それとも銀歯を入れるかを皆さん選ばれると思います。 一番安い素材は銀歯を選ぶと、銀歯は治療後に同じ箇所で虫歯になることが多く、歯を長持ちさせることはできません。 虫歯になってしまった以上、10年後20年後の未来を見据えて歯をこれ以上失わないようにするためには、最適な素材と技術で治療をすることが最も重要なのです。 家の塗装も同じです。 家の外壁塗装などを安く上げることは、将来もっと大きな損をします。応急処置では、家は持ちません。 家は、何物にもかえがたい財産です。 その財産を守るための塗装は、できれば10年後、そして20年後を見て外壁塗装や防水を考えて下さい。
家の構造は、お話しました通り鉄部を使い、木部を使い、家の耐久が落ちる要素を大いに抱えている状態です。 だからこそ鉄筋がはいっているところは鉄筋の手入れの仕方、木には木の手入れの仕方をしなければならないと思います。 不具合を上手くいなしながら、家の健康状態を守る。その為に私たち塗装会社がいるのです。
僕はいつも、お客様の「かかりつけ医」のような塗装会社でありたいと思っています。 それゆえに、塗装工事のプロですから責任もてるように、あらゆることに精通した知識をもって工事をしたいと思うのです。 どうか、目先の見積もりの安さに騙されないでください。どんな家にも鉄部や木部があり、それぞれの症状にあった対応をしなければ、必ず何年後かに手痛いしっぺ返しをくらいます。 大事な家だからこそ、しっかりと鉄部や木部や家の構造などを知り、外壁塗装・補修・防水をしっかりとして下さい。 その工事費がその瞬間は高く見えたとしても、10年後のトータルコストで見た場合、高い金額ではなかったことを実感して頂けると思います。
鉄階段の塗装の動画です。参考までに。 こちらの記事もどうぞ |
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