外壁塗装情報 |
壁の調色と養生の技を見せる一級塗装技能士の竹山です。 |
人気blogランキングへ |
見積り担当の岩淵です。 秋風が吹いてきて、大分寒くなってきました。 今回は外壁塗装と屋根塗装で伺ったのは、門まわりと塀があるお宅だったのですが、調色をして仕上げることになったので、そのお話をしたいと思います。
通常外壁にはお客様がご希望された色の塗料を塗るのですが、この外壁自体はお客様のお気に入りの壁だったので、あえて色のついた塗料は塗らず、クリアと呼ばれる透明な塗料を2回塗りすることになりました。問題は、外壁の前に建つ門まわりの塀です。お客様の中では家を建てて以来、ずっと壁の色と合わないと感じていらしたようで、「色が気に入らないのよ…」とおっしゃっていました。
ですので、お打ち合わせの時にご相談させて頂き、塀の色は今までとは違う色に塗ることに。 屋根塗装、外壁塗装の順で塗装をさせて頂き、最後に門まわりと塀を塗るという順序だったのですが、いざ外壁が塗り終わって、最後に塀を塗ると、お客様に選んで頂いた色が少し明るめに出てしまいました。
色には「色の面積効果」というものがあり、明るい色は面積が大きくなるほど明るく、色が鮮やかに見えるという特性があります。 今回その効果もあって、大分明るめな色になってしまったのです。
お客様はもう少しシックな色をイメージされていたとおっしゃっていたので、一級塗装技能士の職人竹山にお願いをしてその場で急遽調色してもらいました。 お客様とお話させて頂きながら竹山が色を作ったのですが、非常にお客様にご満足して頂けました。
現場歴の長い職人だからこそできる、対応だったと思います。
お客様に確認させて頂きながら作った塀の色は、外壁ともマッチしていました。
塀を塗る際は、大きい部分は大きなローラーで、そして表札周りやポスト、インターフォンの周りなどの場合は、この写真のように小さいローラーなどを使います。
じつは、この養生の作業も職人の技術が光るところでもあります。 ポストと、インターフォンの上部のマスキングがひさしのようになっているのが分かりますでしょうか。
職人として、塗料を塗った際にどこかにこぼす、垂らすというのは「良い塗装」とは言えません。 ですので、職人のプライドにかけて細心の注意を払って養生をし、塗装をします。 今回もきっちり丁寧に仕上げさせて戴きました。 お客様の、初めての外壁塗装ではありましたが、美しく仕上げただけではなく、お客様のお悩みも解消することができた現場でした。
事前打ち合わせで、ある程度の水準までお客様のご要望をヒアリングができ、そして職人の技量で応えることできたからこそ、出来たのだと思います。
これからも、お客様の声に耳を傾け、家に適した塗料を考え、職人の技術を持ってお客様に喜んで頂けるよう、仕事を重ねて行きたいと思います。
※色についての参考記事
|
台風の風雨で過剰に雨漏りするお宅の調査で分かったこと |
人気blogランキングへ |
現場管理、見積もり担当の松尾です。
台風の影響に伴う災害の被害を受けられた皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。 前回の台風15号、そして今回の台風19号と本当に自然の驚異を感じました。
実は、この台風の最中、大変なことが発覚したお家がありました。 1階が作業所、2,3階が住居の建物を中古で買われたお客様なのですが、無事売買も成立し、内装も終わったのでお引越しをされたところに、台風15号が来たそうです。
すると、壁や窓枠から「なんかのコントかな?」というくらい水がジャージャー吹き出てきたのだとか。 お客様はびっくりし、修理依頼できる業者を探し、弊社にご連絡を頂きました。
私の方で、ご依頼を受けてお見積もりのためにお客様宅へ伺ったところ…建物を見て驚きました。
こちらの写真、おかしなところがあるのですがお分かりになりますでしょうか。
実はこの窓…窓周りにあるはずのシールが無いのです。 壁に窓サイズの穴が空いていて、窓をはめ込んでいるだけ。 窓と壁の間の隙間を埋めるシールが無いので、コーキング剤も打っていない状態です。しかも施工もうまくいっていないので、窓が閉まっている状態にも関わらず一番下部分に隙間が空いています。 それなので、窓枠の隙間からは水がジャージャー吹き込み放題に……。
そしてさらには、壁からも染み出す水。まるで古代遺跡マチュピチュの水路のようにあちらこちらから水が染み出しているのを拝見したのですが、どうも通常の雨漏りとは違う感じです。 通常であれば、多少なりとも防水加工が施してあるところの隙間から染み出してくるので、ここまでの雨漏りはありません。
この建物の壁は軽量発砲コンクリートであるALCの壁にタイルを貼ったものなのですが、かなり雨を吸ってしまっているように見えました。 このままですと、壁の中の水による湿気で、カビが出て健康被害などがでる可能性もあります。 こうしたことは、安い施工をした時におこるのですが、人件費を安くするために、塗装業者がついでに防水工事を行ったり、防水業者がついでに塗装工事を行ったりすることがあります。 もちろんまれに知識のある塗装業者、防水業者で工事が上手くいく場合もあるのですが、専門業者ではない職人が行った場合、欠陥が出ることが多いのです。
今回この施工をされた業者も同じかどうかは、まだ詳しく調べていないので分かりかねますが、窓枠についても、シールを最初から考えていない窓のはめ込み方なので、そもそもそういった防水作業をしない業者さんなのかもしれません。
こう書くと、「業者なのに防水をやらないなんてあるの?」と思われるかもしれませんが、業者にはそれぞれ「塗装業者」「防水業者」「大工」など専門に分野があります。 この業者の差は例えるのであれば、柔道と空手のような差です。 柔道と空手は道着こそ同じなので見た目が似ているのですが、戦い方もルールもまるで違う競技です。柔道の選手が急に空手の試合に出てもルールが違うため戦うことはできません。 それと同じで、塗装業者や防水業者は一般の方からみれば、同じ工事業者なのですが、専門分野が違います。
そのため人件費を安くしようと、工事業者に本業でないことをさせてしまうと、このようになってしまうのです。
ちなみに、この建物の売買契約書には「雨漏りなし」と書かれていたそうなのですが、お客様が作業場をスケルトン(壁などを取り払い骨組だけの状態にすること)にしてみると、壁の裏にタライを発見。
この建物の購入の際には、テレビでCMを流しているような大手の仲介業者が入っているそうなのですが、この雨漏りは大きな告知義務違反です。
このタライの件だけでなく、シールの無い窓枠などからすると、もともと雨漏りはずっとしていたはずなので、雨漏りを分かっていて売りつけたのであれば、告知義務違反どころではありません。 現状元オーナーの方、元オーナーの弁護士、仲介業者、購入者であるお客様で話し合いをされているのですが、一向に賠償について話が進んでいないようです。
それなので、このような現状が分かっていながら私どもも手を出すことができず…未だ工事はもちろん、どの範囲まで工事をするかが分からないため、契約もできない状態です。 1日も早く、賠償についての話がすすみ、お客様が安心して暮らせるように補修工事を行えればと思います。
また、こちらとは別のお宅で、防水工事をして2年で雨漏りをしてしまった家がありました。通常であれば、防水工事には保障があるはずなのですが、この家の場合は保証なしの状態で契約を結んでしまい、尚且つ頼んだ防水業者が小さな個人店だったため廃業されていて請求もできず、わずか2年で防水工事のやり直しをすることになってしました。 防水工事は屋根、ベランダ、駐車場、外壁など箇所によって保障は違いますが、必ず保障があります。 防水工事をする際は、是非とも業者にお尋ねになり、保障について確認されることをおすすめいたします。 さまざまなお宅を拝見して思うのですが、安い工事というのは必ずどこかにほころびがあります。 単純に考えてみてください。安くやるために安い人件費の人間を使う、安い人件費の人間は仕事ができないから安いのです。それで良い工事ができるはずがありません。
最悪の場合は、元の工事が悪いといくらその後で手を入れようとしても、手の施しようがない場合もあります。
防水工事というのは、あまり日の目を見ない工事ではあるのですが、家を守るために欠かせない工事です。
この記事をきっかけに、是非とももう一度、防水の大切さを振り返って頂けたら嬉しいです。
こちらは過去の雨漏り調査の動画です。ご覧ください。 |
初回の塗装が2回目よりも一番重要 |
人気blogランキングへ |
初回の塗り替えの重要さ 今回は、外壁塗装の初回塗り替えの大切さについてお話しします。 初回の塗り替えがどうしてそんなに大切なのか…これを読めばその重要性がわかります。 家を建ててからしばらくすると、外壁塗装の時期がやってきます。
様々な塗装会社に見積もりを取ると、100万近くかかり、自分でやれるならやったほうが安上がりなのではないか…と思ってしまうことも。 でも外壁や屋根の塗装は塗料選びが難しく、また塗装のための下準備をシッカリしていないと、後々に剥がれや、その剥がれ部分に洗浄しそこなったカビなどが大繁殖してしまう場合があります。 今回はいくつかの実際例とともに「初回の塗り替え」の重要さを解説致します。
初回の塗装塗り替え時、屋根に塗るペンキを間違えると… こちらの動画は、屋根に2回目の塗装をしようと伺ったお家のものです。
これはたまにあるのですが、屋根にはそれぞれの材質によって素材にあった塗料があります。 この動画では(予測はありますが)、初回塗りの際に水性の塗料を使ってしまっていたがために、今回油性のシーラーを使ったら前回の塗料と反応してしまい溶け出してしまったのだと思います。
通常であれば、水性の塗料でも2度目に塗った油性の下地剤に耐える塗料はあるのですが、今回は耐えられない水性塗料だったようです。 とはいえ、この家の屋根の素材で考えれば、水性の塗料は合わないのですが…。
こうした前回の塗料の溶け出しは、業者も塗ってみないと、前回の塗料が溶けるものかどうか分からないので本当に大変です。 この動画の家では、どんな初回の屋根塗装をしたのかは分からなかったのですが、こうした塗料間違えは、経験の浅い業者やお客様ご自身で塗装をされる場合にも多く見受けられます。 素人塗装をしたがために屋根の痛みが激しくなり、2回目の塗装が大工事になってしまう場合もあります。 では、なぜ間違った塗料を選んでしまったのでしょうか。 ※写真はイメージです。
もちろん、塗料を間違えて買ってしまった…ということもあるのですが、素人塗装だとすると、もう一つ考えられる理由があります。 それはホームセンターなどで売っている塗料の性能の問題です。
実はホームセンターに売っている塗料は、スレート屋根用…となっていても、2回目に塗りなおすことを想定していない塗料が多いのです。 業務用の塗料よりは質が劣るものが多く、初回はホームセンターの塗料、2回目は業務用の塗料と塗った時にこうしたトラブルが起こります。
「そんなこと言ったら、ホームセンターの塗料はダメっていうこと?」
中には素材に適したものもあるので、一概には言えないのですが、職人ではない方が素材についてしっかりと勉強し、技術を持って塗装する…と言うことはほとんど不可能なので、おおまかに言うと、長持ちさせたい外壁や屋根の塗装には『ホームセンターの塗料は買わないにこしたことはない』という感想です。 やはり自分で塗装するとすればDIY程度に収めていたほうがよさそうです。
新築の塗りが悪かったせいで起こる剥がれ こちらの動画は、塗装から5年しかたっていないにも関わらず起きてしまった剥がれについてです。
見ると屋根の厚み部分の破風板部分だけ、ベロリとはがれています。
良い塗料を使って、しっかり塗装をしたのにどうしてこのようなことになってしまったのでしょう。 理由は、新築時の塗りが問題でした。 動画にもありますが、実際剥がれ部分を丁寧に剥がすと、素地が出てしまっているのが分かります。 素地が出ている…ということは、新築時の塗装の密着が不十分で、剥がれてきてしまったということです。
初回塗装の塗り替え時には、まだ症状が出ていなかったので分からなかったのですが、最初の塗りの劣化とともに、5年経ってせっかく塗り重ねた塗料もはがれてきてしまったのでした。 新築時の塗りが、素材に適した塗装がされていないと、どんなに良い塗りをしても初回の塗装が無駄になり剥がれてしまいます。
この時は結局、素地からやり直しをしました。そうすることで、この後は破風板の劣化を食い止めることができます。 新築時の塗りが悪いと初回の塗装をどんなに良くしても防げませんが、発覚すれば対応することができます。初回塗りに信頼できる業者にお願いすれば、こうした不具合も回収することが可能です。 ![]() 軒天の旧塗膜の密着不良。これも前回使用した塗料が原因。通常はこのような剥離は起こらない。
初回の塗りで高圧洗浄や下地剤が不十分で起こる塗装の劣化 この動画のお家では、高圧洗浄をかけたところ壁がポロポロ取れることが判明。 調べてみると、壁の塗装の下にはカビがびっしり生えていました…。 こうなってしまうと、本来であれば最初の作業である高圧洗浄などの下地調整の前に、「剥がす」作業が加わり、追加工事になってしまいます。 しかもこの「剥がす」作業は、とても大変で通常の塗る作業よりも手間が3倍~4倍掛かってしまいます。
とはいえ、今後のことを考えるとここで食い止めないと、このカビが強固なものになり、より家を蝕むので、壁をすっかり剥がすことが大事です。 このあと、全ての壁を剥がし、カビを出来る限り取り除いてしっかりと塗装をしました。
おわりに 今回は最初の塗り替えの重要さについて実例をあげて説明いたしました。 このような追加工事にならぬよう、どうか資格をもった腕のある職人がいる、良い塗装会社を選んで、初回の塗り替えを行って下さい。 また、塗装のトラブルは発見した時に手を打てば、修復できるものもあります。 どうかあきらめず、塗装会社に相談してみて下さい。
|
お見積もり・お問い合わせフォーム