2007年2月17日
業者が明かしたくない秘密 |
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家の塗り替えをするとき、「いい工事」をしてもらえる業者を選ぶには、具体的にどこで判断すればよいのでしょうか?
HPを見たり、実際に話を聞いて検討をしても、なかなか決めることができずに迷ってしまうお客さんが多いと感じます。
そのため、どんなに慎重に検討したつもりでも、依頼するときは半ば賭けにでも出るような気持ちの方も多いでしょう。
それは、お客さんの業者選びに本当に役立つ情報が伏せられがちであることが原因と思われます。
頼んだ業者は「情報を正直に伝えてくれる業者」かもしれませんし、「都合の悪いことは話さない業者」かもしれません。 私も業者ですから、もしかしたら都合の悪いことは話さない業者かもしれません。
でも、業者が教えたがらないことを明かすことができるのは、業者だけです。 業者だからこそ消費者のあまりにも無防備なことが、手に取るようによくわかるのです。
今日は業者でなければお伝えできない、業者選びのポイントをお話していきます。
さてここで、見積り依頼した業者から、次のような工事を提案されたとしましょう。
「3回塗りをします」 「 塗料は『これ以上ない最高品質』を使用します」 「10年保証です」 「新築のように太陽に反射するほど“ピカピカ”に仕上がります」
これらは一見、質のいい塗装工事のように思えます。
たしかに決して悪い工事ではありません。 ただし、このような条件がそろっていたとしても、塗装工事は完璧ではありません。
まず、「3回塗りをします」について。
3回塗りで3層仕上げは基本です。
しかし3回塗りをしても、どんなにいい塗料を使ったとしても、メーカーの規定以上に薄めすぎた塗料で塗っては、意味がなくなってしまいます。
また塗る前に、壁など塗る面の下準備をしっかりしていなければ、いくらいい塗料で塗ったとしても、はがれてしまうこともあります。
「10年保証」について。
外壁に関しては、壁から塗装がはがれることはめったなことでは起きません。
保証内容が、「塗装はがれ」だけでしたら、保証の意味はあまりありません。
10年や15年の保証を堂々とうたう工事の場合は、「塗装はがれ」だけの保証も少なくありません。
はがれの保証より、ひびの再発や木部、鉄部の保証に目を向けたほうが、よほど保証の恩恵に授かることができます。
「ピカピカの仕上がり」についてはどうでしょう?
すこし前に耐震偽造問題が起こりました。
外観や間取り、内装といった目に見える部分はすばらしい出来です。
ただ偽装は、鉄筋の太さ、数量、コンクリートの強度、など「目に見えない部分」で起きました。
本当に大切なのは、この目に見えない部分であり、塗装にも同じことがいえます。
「3回塗り」や「塗料」「10年保証」「ピカピカの仕上がり」は、いずれも目に見える部分です。
言い換えれば、業者にとって都合のよくない部分は塗装の下に伏せられている可能性があります。
そもそも、都合のよくないことを言わなくても、消費者には知識がないので、言われたことがすべてだと思い込んでしまう人も少なくありません。
では、その都合のよくない部分というのはどんなところでしょうか?
それは塗装にとって質の差が正直に現れるところでもあります。
つまり、長持ちさせるために、
「どれだけ手間を掛けたか?」 「どれだけ材料を使ったか?」
という点です。
塗装工事の費用ほとんどは人件費です。 簡単にいえば、人件費を安く済ませれば、業者の儲けは大きくなります。
塗料も必要以上にうすめれば、材料代も浮きます。
私が知る範囲でも、残念ながらこのような工事は少なくありません。
うすめた塗料は、ドロドロした塗料より塗る作業がはやくなるため、スピーディーに仕上がり、結局は人件費のコストカットにつながります。
塗る前の下準備にしても、面倒な作業を省略して上から塗装をしてしまえばわかりません。 雑な仕事でも、塗装は見た目がきれいに仕上がってしまいます。
反対に、どれだけ手間をかけて材料をつかったかという判断は、消費者には判断がつきません。
そのため業者が誠実に塗装工事をしたかどうかは、塗料の品質や保証で判断せざるを得ないのが現状かもしれません。
「強制的なコスト削減」と「工期の無理な短縮」が、工事の質を落とす原因になっています。
塗装工事ほどごまかしの効く工事はありません。
だからこそこれからも、本当の塗装の質を見極めるための情報を消費者の皆さんに伝えて行きたいと思います。 |
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