株式会社塗装職人の外壁塗装店の思い

2015年9月23日

一級塗装技能士を選ぶと失敗の可能性アリ。

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連休はさわやかな晴れでしたね~

 

私は特別どこも行きませんでしたが・・・

 

しいていえば嫁と娘の二人で私と息子を置いて一泊旅行に出かけていたみたいな(笑)

 

ただ、また台風が発生した模様で進路がちょっと気になりますね。

 

週末はまた崩れるみたいだし。

 

工事の遅れがまたまた懸念されますね。

 

さて、本日は午前中だけで3件のお客様から見積もり依頼のご連絡を頂きました。

 

平日になればさらに増えるのではないかと意気揚々の今日この頃です(^.^)

 

気候も暑くもなく寒くもなくいい感じになってきたので、塗装を考える人も多くなってきたのではないでしょうか。

 

そこでみなさん悩むのが業者選びの基準です。

 

ネット上で探すと、あることないことかなり自由に書かれていますね(笑)。

 

まぁ私は前から言っている通り「一級塗装技能士」を選べ!!と叫んでいますが、最近はほかの業者さんもこぞって「うちは一級塗装技能士!」とアピールしています。
そのためか、資格だけを基準に業者を選ぶと「うまくないなぁ」という事例も出てきました。

では、なぜ「一級塗装技能士を選べ」と言ってきたか、まずその理由をお話しします。

 

塗装業を始めるには、実は何の資格も認可も必要ありません。

でもお客さんは当然、技術や経験があるところに頼みたいですよね。

そこで業者の技術について、判断基準になる「資格」があります。

 

資格といっても、勝手に命名する自称の資格、民間資格、国家資格、と様々です。

 

最も信用があるのはもちろん国家資格。

 

建築関係では施工管理技士や建築士など、家の外壁塗装に関しては、「一級塗装技能士」という国家資格があります。

 

さらに「塗装指導員」なら、その上の資格という意味を持っています。これは資格というより職業訓練指導員で塗装技術を教える免許ですが、15年の実務経験か一級塗装技能士の資格がないと受験できないからです。

 

じゃあ一級塗装技能士なら、それだけで十分信用してよいのでしょうか?

 

実はそこが説明不足で、多くの人に勘違いさせてしまいました。

そもそも一級塗装技能士を基準にするのは、あくまでもその「業者そのものに“技術と経験”があるのかどうか」を確かめるためです。

 

資格は、そこで働く職人さんではなく、社長さんが持っているかどうかに意味があるのです。

ですから、ある業者は資格がない、別の業者は保有している、というだけでは、業者の優劣は決して判断できません。

 

しかし社長さんも職人さんも一級塗装技能士であれば、現場での技術面や問題点などが共有できて、より質の高い外壁塗装につながります。

 

業者さんが「うちは一級塗装技能士です」と言っても、それが職人さんだけなのか、社長さんも資格があるのかどうかは、ホームページ上ではわかりにくいものです。

 

一概に良い悪いは言えませんが、社長さんが塗装にほぼ素人で、職人さんが一級塗装技能士という業者さんは少なくありません。

 

ただ「私がもし塗装に素人で、自宅の塗装を依頼する場合、社長さんも一級塗装技能士かどうかは、絶対知っておきたい」と思います。

それは質の高い塗装を求めるなら、その方が確実だからです。うちが、社長も資格があるからというわけではありません。

 

ようやく消費者側にも一級塗装技能士が認識されてきたのは喜ばしいことです。

さらに「一級塗装技能士」とうたっている業者にも違いがあるということを知っていただきたいと思います。

 

一級塗装技能士.jpg

カテゴリ:技術 ,職人

2015年6月18日

一級塗装技能士の講習

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昨日は神奈川県立産業技術短期大学にて、塗装技能士の実技講習会が行われました。

今年もうちから1人が試験を受けるため講習に参加しました。
塗装歴は約20年近くでありながら、初めて試験を受けます。
なぜ今頃かといいますと、これまで機会がなかったんですね。
今はネットで塗装技能士試験の情報が幅広く公開されていますが、ネットインフラが発達していないころは、どこでどう試験を受けるのか、試験を受けた人からしか聞く以外はまったくわからなかったですからね。
私は平成15年に取得しましたが、一級塗装技能士に挑戦するために神奈川県塗装協会に加入し情報を得ていました。
ちなみに塗装技能士関連の情報は、うちでも結構頻繁に公開してます。
自慢じゃないですが、職人全員一級塗装技能士なので。。
ちなみに1名を除いては、一級塗装技能士を超える塗装指導員でもあります。
でもそのためにはまず一級に挑戦する必要があります。
いずれにしても、たぶん初めて試験を受ける場合は、講習を受けないと合格できません。
普段の外壁塗装でやっている作業とは、違う部分もあるからですが、それが反復練習のように覚えないと無理な部分があります。
何度も何度もです。
決して腕がいいからというだけでは合格できないんですね~
試験に必要な道具もまとめにすべて一色揃えるとなると、3万円前後かかります。
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講習代+道具+検定料を含めると、それこそ6,7万円です。
これは元を取るため一生懸命頑張らなきゃイカンですね(笑)


カテゴリ:技術

2015年6月3日

一級塗装技能士を超える免許って?

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雨ですね。

久しぶりの本降りという気がします。
横浜予報では、明日一旦晴れてその後また雨が続くようです。
梅雨入り間近とかテレビで言っってました。
来週月曜からは曇りの時が続くようですし。。
現場は今おかげさまで忙しいですが、梅雨になるとやはり気になるのでしょうか。
梅雨前に終わらせたい、梅雨が明けたら工事したいというお客さんもチラホラ出てきます。
ただ職人としては真夏より梅雨のほうが作業しやすいんです。
職人でなくても誰でもそうか(笑)
話は全然違いますが、星野の紹介動画です。

一級塗装技能士は当然ですが、それを超える免許を彼は持っています。
塗装科の職業訓練指導員という免許です。
なぜ一級塗装技能士を越えるのかというと、一級塗装技能士でなければ、その免許の受験資格がないからです。
ひらたく言えば、塗装技能士を育成する免許です。
なんか偉そうですよね(笑)
子供のためにも現場で頑張ってますので、その際はよろしくお願いします!(^^)!


カテゴリ:技術 ,職人

2014年11月19日

塗装業者にとって一級塗装技能士なんて意味ない?

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外壁塗装とビジネス

試しにこの検索語で検索してみたら、いや~出てきますね(笑)

 

塗装業の参入チャンスとか、集客爆発営業みたいな感じで、どうりでインターネット見ても、ここ最近名前の聞いたことがない業者さんがやたら多くなってきたなーというのも納得できます。
以前からもそうでしたが、最近は益々という感じです。
心配なのは、現場とか技術が置いてけぼりで、ビジネス先行ばかりになってきてしまわないかということですね。
私もビジネスにはとても興味ありますが、ただこういうものを見ていると、ペンキだらけになって汗水たらして仕事する現場が蚊帳の外にされてしまっているような気がしてなりません。
このような営業手法がいけないということよりも、やっぱり塗装の専門性としての経験や技術があってこそ成り立つものだと思っています。
 
たぶんまだ経験の浅い業者さんや、これから塗装業を始めようと思う人が早とちりしてしまい、そういうものに頼ってしまうのでしょう。
 
 
さらによく見てみると、現場での技術的なことや工事対応のことは一切触れていないものがほとんどです。
集客だけに特化してますね。
本当に塗装業をするなら、集客も当然必要ですが、一番大事なのは工事の質とクレームなどの何かあった場合などの工事後の対応です。
もちろんお客さんの対応は重要ですが、それらは契約目的のためのお客さん対応ということに主眼が置かれているようです。
どうなんでしょうね・・
真剣に塗装店をやっている業者さんから見れば、業界全体が今こんな感じですから、かなわないって思う人も少なくないんでしょうね。
 
 
でもこういうのを見れば、これから塗装を検討する人も、業者選びをする際に何かのヒントになるかも知れません。
 
こういうと、うちの会社自身がそうなので、こういうブログなどで自分からの発信はあまり気が進まないのですが、本当にそう思うので仕方ありません。
ちなみに公益社団法人の神奈川県塗装協会の会員さんも塗装技能士が多いですよ。
だから現場で何十年も自慢の腕をふるってきたそういう本当の業者さんがいる一方で、ビジネス先行の業者さんが増え続けているのを肌で感じると、技術的に関する情報発信にも力が入ります。
 
お客さんから見ても、その差を感じてくれるのは難しいと思いますが・・
 
 
 
ここまで一級塗装技能士が報われていないのは、現場を知らない普通の人から見ると資格というのは少しややこしいからなんですよね。
 
 
家の外壁塗装とはほぼ関連性のない、施工管理技士や建築士などもあったりして、そのほか民間の資格やその会社が命名した何とか診断士というものなど、まぁそれはいくらでもあります。
 
 
 
 
そして一番報われない理由は、厚生労働省をはじめ、管轄の職業能力開発協会の啓蒙活動などが行われていないせいでしょう。
 
 
これは確実に言えます。
 
 
私が一級塗装技能士をとった11年前。
 
資格を取ると金バッジみたいなものももらえるのですが、それにはこんなことが書いてあります。
 
 
「技能士章は技能検定の合格者に常時着用していただき技能士としての誇りを持っていただくとともに、技能士は素晴らしい技能をもっていることを社会にアピールするため厚生労働大臣が交付するもので、昭和41年に制定されたものです。技能士章のデザインは、技能の枝の字を中心とした光とその間を結ぶ菊花によって構成されています。光は技能の輝きを表し、菊花は技能士のもつ名誉と誇りを表しています。あなたのご活躍を心より期待しています。厚生労働省」
 
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と、まぁなんて勝手な・・・。
 
はっきり言えば人ごとですね(笑)
実際に受験案内だけで、資格取得者を応援するためのアピールなんてしてないんですから。
現状の塗装業界を見れば一目瞭然です。
一業者が資格を社会にアピールする力なんて普通はないわけですから、アピールするのは厚生労働省のほうで貪欲にしてもらいたいですね。
うちの会社のほうが、厚生労働省よりも何十倍アピールしていますよ。宣伝費もらいたいぐらいです(笑)
ちなみに一級塗装技能士を受験するためには、講習やら学科や実技のために用意しなければならない書籍や材料、道具などを含めて、実質1回で6万円前後の技能検定料かかります。
それが神奈川県だけでも百何人、全国レベルでみれば数千人いるわけですし、しかもこの数字は塗装だけではありません。
技能士というのは塗装だけではなくて、食品や衣服など他の職業もあるわけですから、啓蒙活動に少しでも役立ててくれれば、多くの一級塗装技能士の職人さんも仕事で困ったり、無理して赤字覚悟の下請けをする人も少なくなるのではないのかと思ったりします。
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カテゴリ:塗装業界 ,技術 ,職人

2014年6月3日

相見積もりの価格差に悩む外壁塗装の高い理由と安い理由

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今は見積もりは複数の塗装業者さんに頼むことが多くなってきた感があります。
安売りの外壁塗装もここ最近よく見かけます。

お客さんにとって安いことは魅力的ですよね。

価格は大事な要素ですから当然です。

ところがお客さんは、かえってこの状況に悩みに悩んでしまいます。
業者それぞれの見積書を見ても、わかるのは合計金額がいくらになるかだけで、内容の違いがわからないのですから。

もちろんどんな塗料を使うかとか、工程も書いてはあります。
でもそのどれが正しいのか、本当に質が良いのかサッパリ見当がつかないというのが実情です。

 

しかも業者の見積もり書は、それぞれ項目がバラバラで様式も統一してありません。

その上、業者に質問してもデメリットの話なんてまず出てきません。

 

「長持ちします」
「塗料は高級です」
「しっかり手順と工程を守ります」

 

お客さんの身になって考えると、もし安売り価格の塗装工事なら、安くなる分だけ欠点になる可能性も正直に話してほしいと思うところです。
仮にその欠点がカバーできるなら、価格は少しぐらいなら上乗せでも仕方がないと考えるかもしれません。

 

お客さんはとにかく正確な情報がほしいのです。

ところが今の塗装業界の現状は、ネットを見ればご覧のとおり、バナナのたたき売り状態です。

では、外壁塗装を行う業者側の企業努力で、安くできるものとは一体何でしょうか?
そしてその安さとは正当なものなのでしょうか?

 

1.塗料をまとめて仕入れるから安い!

家はそれぞれ傷み方も違いますし、仕上がる色も違います。要するにその家の状況にとって一番最適と思われる塗料の種類とお客様の希望の色で、使用する塗料はある意味「千差万別」になります。

もし業者がまとめて大量に塗料を仕入れるから安くなるとしたら、それは業者の都合のいいような仕入れ方というだけでお客様の都合に合わせた仕入れ方法ではありません。

なので、業者によってはできるだけ同じ色を使ってほしいという都合から、契約時の色選びの段階で色の制限があると後から聞かされる羽目になる場合もあります。

ただ色選びにこだわらない場合は、多少なりとも安くなる可能性はあります。

といっても、一般の家の大きさで言えば使用する塗料の消費量は10缶行けばいいほうです。

塗料というのも、フッ素や断熱塗料などの特別高価な塗料を除けば、塗料の価格差は例えワンランクの塗料の違いで1缶2千円いけばいいほうなので、それが数量も10缶行ったとしても2万円の違いです。

そういうことは一般の方は知らない場合が多いので、本当はそれほどの価格差だとしても、外壁塗装工事費という合計の名目になると10万円の価格差になったりします。

それはそれで商売のやり方の違いで必ずしも違法とかそういうことではないにしろ、無駄に支払う必要もないのかと思うので、その辺慎重になりましょう。

 

 

2.自社施工だから安い。

よく「自社施工」とか「下請け施工」で工事品質が違うようになるとも言います。

一般的に言うのが下請けだと中間マージンがあるのでその分品質が低い工事になるということ。

昔大手塗装会社に下請け業者として勤めていたころの私自身がそう感じたことでした。

どんなに忙しく動いても、足場も自分たちで掛けたとしても普通に仕事していては赤字になる一方のとても劣悪な環境の下で仕事していました。

でも経営側になってくるとそれは一変することがわかってくるようになりました。

実際にこの業界を長くやっているものとしての感想は、職人の管理が優れている塗装業者であれば自社施工、そうでないのであれば下請け施工に軍配が上がります。

ただ職人の管理が優れている場合でも、管理する方の人間、例えば会社を統括するような立場の社長クラスの人間に実務経験がなければ自社施工だとしても、事実上良い品質の施工をすることは困難です。

いずれにしても職人の仕事に対する考え方や人間性にも深く関わってきます。

おおまかにして消費者であるお客様が業者選びの判断するための材料としては、資格を持ち合わせていない職人よりかは、一級塗装技能士の場合決して合格率が高くない試験を受けるべく仕事に対する志を持っているということも言えるため、自社施工や下請け施工にかかわらず一級塗装技能士の施工はお勧めするべきことだと思います。

 

3.足場代がタダになる、もしくは安くなる!

よく聞かれるのが、近所で工事をしていて足場代が安くなるとか無料になるということです。

でも足場代が決してタダや安くなることはありませんし、そのような理由になる紆余なものも何一つありません。

ただ塗装に知識がない人からすると何となくそう思えるようです。

塗装は車や電気製品のように、大量生産で同じ質のものをつくることはできません。

ですから「まとめて○○するから」と、安さを提供することには無理があると思ってください。

これは10年以上前から、私たちが発行する「塗装ガイドブック」でも多くの方にお知らせしてきたことです。

だからといって高額価格を正当化するのではなく、価格だけを見て決めないでほしい、慎重さを失わないでほしいという事なんです。

写真付きのカタログのような、きれいな見積書や診断書、DVDなども同様です。

診断書や見積書の内容が、必ずそのまま工事に反映すると思い込んでしまうことにも注意しましょう。

業者からお客さんには、工事内容を記載した書類が提出されています。しかし職人は、会社との信頼関係次第で、書類の内容を無視して工事をします。

渡されている書類は、お客さんが契約しやすいように業者が作成しているものだと、少し冷めた目で見る必要があります。

電化製品の取扱説明書のように、正確に機械を作動させる目的のものとは意味がちがいます。

ちなみに現場重視で動いている業者さんほど、きれいに整ったカタログや書類とは無縁だったりします。

そこまで手間を掛ける技術も時間もなく、何より営業力がありません。

 

知り合いの一級塗装技能士で職業訓練指導員の業者さんの何人かは、いまだに手書きの見積書と名刺一枚で営業しています。
すごく素っ気なく汚いですよー(笑)

 

でも本当に正確な情報を知りたいなら、その業者さんの事務所に直接足を運んでみたり、完了直後よりも塗装して数年経過した家を見せてもらったほうがどんなにか現実的です。

問い合わせで一番多いのは「○○塗料は長持ちしますか?」というお尋ねです。

塗料の質で耐久性がものすごく変わる、というような情報があまりにも多いものですから、お客さんの関心が塗料の質だけに集中してしまうのですね。

 

しかし根本的な問題はそこにはありません。

それは一つの要素でしかないのですが、それがすべてであるかのような錯覚をしてしまうのです。

これまで私は塗装工事を依頼するための重要なポイントを伝えてきましたが、まだまだこの点に関して、認識が浸透していないと感じています。

まず下の動画の方は11年前、私がまだバリバリに職人をしていた頃のお客さんでこちらが当時の作業写真です。

 

当時の相見積もりでは、一番安い業者さんと比較してうちが30万円高かった、と本音で話して下さいました。

確かに当時そのようなことを聞かされていたなーと、思い出したのですが、今改めてこれ聞くと、そこまで勇気を出してうちを選択してもらったのだと再認識させられました。

高い価格を正当化するための話というよりも、安い業者さんもそうでない業者もそれぞれ価格の基準が明確ではない部分があります。

 

たとえば築10年ではじめて塗装をする家と、築20年で塗装する家では、それぞれの処置の度合いは変わってきます。

当時築25年は経過していたこのお家を長持ちさせるために、絶対必要になる手間と塗料、そして足場の値段を元に算出をさせて頂きました。

 

それから言い忘れましたが、これも絶対覚えておいてほしいことの一つです。

 

「一級塗装技能士」の資格は職人ではなく、その業者さんの社長さんが保有していることに着目してください。

もちろん職人さんも取得していればいうことありません。

一級塗装技能士の社長さんなら、社長自身が職人だという証拠。

 

何を言いたいのかといえば、「塗装の職人が創業した業者」なのかを見極めたほうが塗装業者選びに雲泥の差が出るということです。

 


カテゴリ:塗装業界 ,技術

2013年11月6日

チョーキングに最適なサイディングの塗料とは?

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あまり自分たちのミスは公開したくはないのですが・・・
これはもう6年ほど前に塗り替えさせていただいたお家の外壁サイディングです。
塗膜の剥離です。

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補修するために、弱くなった部分をトコトン手作業で剥離しました。
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再塗装後です。
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原因は、おそらくチョーキングです。

 

このお宅の外壁は当時チョーキングがすごかったのです。

 

触ると手に白っぽい粉が付きます。

 

いつも通り高圧洗浄をしたわけですが、問題なのはその後。

 

下塗りに、水性シリコンエポサーフというサフェーサーで塗ったのが原因でした。

 

サフェーサーというのは、チャプチャプしたシーラーと違って、フィラーのように少しねっとりしている下塗り塗料です。

 

チョーキングが激しい外壁の場合、このサフェーサーはどうやら最適ではないということが、経験によって後から判明したのです。

 

もちろん、メーカーのマニュアル通りに施工はさせていただいています。

 

ただチョーキングが激しい外壁の場合、どんなに高圧洗浄をしても、塗装を完全に取り除かない限りチョーキングは取りきれません。

 

チョーキングは塗料成分の樹脂に収まっている、色である顔料が浮き上がってくる現象です。

 

塗装の膜は、何ミクロンという世界で、その塗膜のどこからどこまでがチョーキングの層なのか、はっきりした境はありません。

 

なので、どんなに高圧洗浄をしても、次から次へとチョーキングの白っぽい水が流れ、それに終わりはありません。

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  チョーキングの白っぽい水が高圧洗浄で流されている。
 

で、なぜサフェーサーがダメなのか。

理由は、ねっとりしている分、取りきれないチョーキングにブロックされて、外壁下地に密着しないのです。

 

その結果、剥離が起きました。

 

これが水のようにサラサラ、チャプチャプのシーラーだと、チョーキングが取りきれない外壁でも下地まで浸透するというわけです。

 

お客さんには大変迷惑をかけてしまった例ですが、当時は長持ちするだろうということで、わざわざシーラーよりも高価で塗り手間がかかる、このサフェーサーで下塗りをすることもありました。

 

メーカーでは、シーリング汚染にも効果があるということで、モルタルよりもサイディングに比重を置いていたような気もします。

 

ただ仕様通り施工したとしても、このような弱点が後からわかることもあります。

 

チョーキングがない場所では、恐ろしいほどの密着性を発揮するんですけどね。

 

これから塗装を計画される人で、外壁を手で触ってみてチョーキングが激しい場合は、以上のことを参考にしていただければと思います。

 

これは現場数をこなしているからこそ判明している事例かもしれません。

 

メーカーの仕様通りにも想定外があるってことのひとつだと思います。


カテゴリ:技術 ,現場

2013年2月23日

25年前の玄関ドアが塗装なしで新品になる、ダイノックシート

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築年数がだいぶ経過してくると、傷みもあちらこちら出てきます。

そこで塗装をしてきれいにするわけですが、塗装ではまかなえきれない場所も出てきます。
当然見た目だけではなく、耐久性の上でもそうしなければならない時もあります。
そして見た目で一番気になるのが玄関ですね。
たぶん・・(笑)
やはり先日も鶴見のお客さんの現場で、塗装ではどうにもならない状況になってしまいました。
契約では、玄関ドアを塗る予定はありませんでした。
塗装する必要がないように見えたからです。
で、足場を組んで翌日の高圧洗浄。
洗浄では一般的に塗装しない場所もきれいにさせてもらってますので、その玄関ドアにも手が切れてケガをしてましうほどの勢いでノズルからジェット噴射される、高圧な洗浄をしました。
もちろんあまり間近で水流を当てると、時にはものが削れてしまうときや、逆に傷めてしまう時もあるのでそこは加減します。
そこは経験ですね。
そしてその時も十分に強さを加減して洗浄をしたのですが、それでも想像以上に玄関ドアの傷みが進んでいたようで、ご覧のように水流によって表面がはがれてしまいました。
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ひどいですよね。
少しの間このままでしたので、ホント申し訳なかったです・・
工事前の写真が少なかったので、このぐらいしかありませんが、はがれる前はこんな感じでした。
CIMG7327.jpg
このような状況の時が正直一番悩みます。
洗浄しなければはがれることはありませんでした。
ただあくまでも推測ですが、洗浄しなくともまず持たなかったでしょう。
築25年ほどを考えれば劣化して当然といえば当然です。
もちろんそんなことはお客さんには言えません。
言えるわけがありません。
実施にはがれた原因はこちらにあるからです。
で、塗装で修復しようとしました。
塗装屋ですからね(笑)
でも大問題が発生。。
塗装では修復できないことが判明。
ミクロの目でよ~く見ると、どうやら貼りものらしい。
ふつうは見ればすぐわかるものですが、この玄関は目をこらさなければ判別が難しいほどのものでした。
貼りものでも、素材によってはその上から塗装ができることもあります。
ただ念には念を入れて、菊池とお客さんとさんざん悩んだ挙句、今回の処置に至ったわけです。
それがこんな感じ。
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見事に復活、いやそれこそ本当に新品になってしまいました。
ちなみにこの処理は木部の玄関ドアにはできません。
では、次回まで(^u^)


カテゴリ:技術

2012年7月7日

屋根塗装の縁切り

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おはようございます。

梅雨時ですが、神奈川の方は本格的な雨模様の日は少ないですね。

天気予報も雨だったりするのですが、ほとんど降らなかったり、逆に降らないような予報でも降ったりするので、現場でも困惑してしまうことも少なくありません。

 

特に職人が朝事務所に来ても、雨がいきなり降ったりするため、とんぼ返りということもたまにですがあります。

 

さて工事の方は忙しくさせていただいています。

最近は現場の事例を多くホームページに載せるようにしていますので、ぜひチェックしてみてくださいね。

 

そこでさっそく、先日の神奈川県内のお客様宅での事例です。

 

一般的な住宅に多いスレートぶきのコロニアル屋根です。

カラーベストともいいますが、このお宅はおよそ築10年になります。

 

屋根の状態を見てください。
CIMG8862.JPG

屋根材どうしの隙間が十円玉の厚さ2枚分あり、十分な隙間があります。

実際には3枚ジャストの厚さでしたが、硬貨が二十円分しかありませんでした(笑)。

 

塗装をしたとき、板状の屋根材の重なり部分が塗料で詰まると、毛細管現象で雨水が上方向にいってしまったり、突き合わせ部の隙間から入った雨水の逃げ場がないため、雨水が溜まってしまいます。

それが内部にたまった湿気の逃げ道がなくなったり、雨漏りの原因になることもあります。

 

そのため、塗料の詰まりの部分をカッターなどで切り込みを入れて隙間を作ってあげます。

これを「縁切り」といいます。

 

現在はタスペーサーという縁起りの部材を重なり部分に差し込んで隙間を大きくしてから塗装するという方法が一般的です。

 

ただしタスペーサーを入れてその上を歩くと、ひび割れの危険性が高くなるため3度塗りの際に注意が必要になります。

 

でもこれほど隙間があれば塗料で埋まることはありません。

このお家の場合はもっと隙間のある部分もありました。

 

しかしそこまで隙間が広くなくても、はじめての屋根塗装の場合なら、たいていの屋根は、正直いって縁切りはほぼ不要だと思います。

 

ネット上でもよく取り上げられている縁切りは、絶対しなければだめという業者さんが多数派のようです。

ただこれは、必ずしも現場に即している情報ではないなって思います。

タスペーサーを差し込みその上を歩くと割れる可能性もありますので作業にも注意が必要です。

 

特にパミールというスレートというものがあり、法改正でアスベスト入りのスレートが作られなくなり、それから強度がおちたスレートというものがあります。

このスレートは縁切りはNGです。

それ以外のスレートでも割れるものもあるので縁切りはカッターやカワスキでやる職人もいます。

割れるのは下手だからという意見をネットで見たことがありますが、そうではありません。

もちろん割れない物も多いですがリスクがあるということです。

縁切りが必要なのは、塗料の厚みが増してくる2回目からの塗装からでしょうか。

それから屋根の傾斜が緩い場合や、断熱塗料で塗るときです。

 

断熱塗装は塗膜の厚さが命です。

ぼってりとした塗料で塗るので厚みがあり、縁切りも必要になります。

それ以外はほぼ必要ないと考えてよいのではないでしょうか。
とはいえ、どうしても縁切りをして欲しいというお客さんには、タスペーサーやそれ以外の方法でも対応させていただいてます。
今後も少しでも塗装の真実を伝えていきますので、よろしくお願いします。



カテゴリ:技術 ,現場

2009年8月29日

塗装技能士試験

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塗装唯一の国家資格があります。

塗装技能士です。

一級、二級とありますが、うちも今回は3人が試験を受けます。

 

今年も3月ぐらいから試験の案内が始まりました。

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すでに一級塗装技能士と、その上に位置づけされる「職業訓練指導員」免許は、

私を含め数名いるのですが、今回は一級2人、二級1人の3人が試験をうけます。

とはいえ、そのうちの1名は以前実地試験は受かったものの、
学科で落ちてしまったので、今回は学科のみの試験です。

今年も早々と職業能力開発協会まで足を運び手続きをしてきました。

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さすがに国家試験ともなると、行き当たりばったりではまず受かりません。

しっかり勉強をして、実地試験も普段あまりやらないような作業項目もあるので、
それなりに練習するなどして周到な準備が必要です。

 

試験は年一度。

落ちればまた来年なので余計です。

試験当日までには、時間はたっぷりあります。

学科、実地ともに講習などをうけながら試験に備えて行きます。

実地試験は、調色、刷毛塗り、ガン吹き、ヘッドカット、スプレーガンなど数種類にわたります。

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塗装技術だけでなく、罫書き線を書いてその中をはみ出さないように塗る作業もあるので、

時間との勝負というのもあります。

CIMG5051.jpg

9月にはいって1級と2級が2日間にまたがって、試験が行われます。

ただ、試験にはひとり頭費用が以外にも掛かるんです。

試験用の道具一式、受験料、実地、学科の講習代など・・・

頼むから受かってくれ?

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カテゴリ:技術 ,職人

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一級塗装技能士達のブログ「The 塗装職人」

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株式会社塗装職人は、技能士の育成に取り組んでいます。

おもてなし規格認証 2019 (紅認証) 取得
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