株式会社塗装職人の外壁塗装店の思い

2017年2月16日

起きたら怖い、塗装作業での死亡事故。

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塗装作業での死亡事故。

ちょっと怖い話を本日は聞いてきました。

IMG_20170216_160331

というのも今日は労働安全衛生法改正にあるリスクアセスメント義務化についての研修でした。

難しく聞こえますが、要は塗料を使う以上、揮発する化学物質などを吸い込み、健康被害による労働災害を出さないために法改正でそれを義務化しようというものです。

 

大まかには、有害物質がその現場でどの程度発生するリスクがあるのを見積もったり、化学物質リスク簡易評価法(コントロールバンディング)というもので、毒性などのレベルを評価づけそれを把握し事故につながらないようにするというものです。

 
 

難しく聞こえますがと言いましたが、レジュメを実際に見るとやけに細かく生命保険の約款みたいで、正直とっても取っ付きにくいです(笑)

でもリスクアセスメントの対象になる事業者は塗装屋さんだけでなく、化学物質を扱う業者ならどこでも適応されるそうです。

飲食店もそうですし医療は当然、福祉業などかなりの業態に当てはまるそうです。

とはいってもうちの場合、塗装と言っても酸欠になったり健康被害が出るほどの仕事とは違うので、その辺はあまり関係性は薄いのかなと感じました。

対象となるのは主に屋内です。

 
 
屋内の塗装作業では換気がとても重要になるので通風のことや防塵マスク関係の話もありました。

ちょっと気になったのが風呂場内の塗装で事故があった事例はちょっとだけ他人ごとではないと思いましたけどね。

ただそれは溶剤塗料のはなしで、今はそこに溶剤で塗装する職人さんはいないだろうと、おそらく昔の事例だと思います。

P1020995 (1)

ちなみ今日の研修では、横浜では有名な材料屋さんの専務さんも来てました。

 

私もその事故のことは当時のニュースで見てましたが、その専務さんの話では2年ほど前、首都高の柱の塗装工事で火災が発生し作業員が死亡した件について触れていました。

その原因はタバコらしいです。

 

それからは、首都高の塗装工事が溶剤塗料からすべて水性塗料に切り替わったそうです。

一般の方は当然ですが水性と聞くと溶剤(油性)塗料より性能が落ちるのでは??と思いがちですが、本当のところは違います。

というか、違うらしいです(笑)

 
 

私も実際にはその差について具体的に詳しく説明することはできませんが、理屈では溶剤塗料は溶剤が揮発して、水性では水分が蒸発して、残る塗膜に耐久性に差異はないということです。

この話は私も塗料メーカーの方から、もう4年ほど前に聞いてましたが、じゃあ鉄部には水性のさび止めで大丈夫なのかという疑問は正直消えないところではありますが、メーカーが言うのですからそれが正解なのだと思います。

後はネット上のさまざまな情報で、多くのお客さんが溶剤の塗料品質ばかりに振り回されてしまっていることにもメーカーサイドも苦労しているのかなとは思います。

 

いくら水性と溶剤が耐久性が変わらないと言っても、じゃあネットで溶剤のほうが長持ちるという情報が色々出てくれば多勢に無勢で、もちろん多く発信されている情報を信じてしまうのは仕方のないことなのかなと思います。

だから末端の消費者であるお客さんの考え方が変わらなければ、当分の間は外壁や屋根などの場合は溶剤がまだまだ健在していくと思われます。

 
 

ちょっと前に社会問題化したキュレーションサイトもそうですね。

あれも一次情報が正しくても、その文章がコピーして編集され、2次、3次となって、結局伝えたい肝の部分が伝わらず誤った情報となったことが問題となりましたよね。

コピーされ編集され、コピーされ編集され、それが次々と生み出されていく。

間違った情報だけらけになって、だからネット上の情報は徐々に信用されなくなってしまっていくのかなとも思いますけどね。

愚痴を言えば、うちのサイトなんてコピーされまくりです(笑)

画像もそっくりそのままというのは当然の話で、びっくりさせられることもしばしばです。

 
 

業者選びもそうですね。

一級塗装技能士、一級塗装技能士といいながら、資格を重視するお客さんはそっちに引かれていきます。

業者がこぞってそう言いだせばお客さんも、そうならばと一級塗装技能士が施工すればそれで安心できるところがあるのだと思います。

 

でもそれだけでは誤った情報で、一級塗装技能士資格を持っていなくとも腕がいい職人さんはいます。

ただお客さんが業者選びにおいての判断基準をする際には、何にも指標がないよりかはあっ方が当然いいわけで、それで以前からそのような判断基準をお勧めしているわけです。

 
 

ところが塗装業は資格を要しない業種ですから、現場に出たことがない人、たとえばこれは極論ですが昨日脱サラした人が塗装業の看板をあげて営業してお客さんと契約することだって無理なことではありません。

お客さん側が納得する机上の知識を多少知っていれば、実際の仕事は一級塗装技能士の資格を持っている、”本当の塗装屋”に丸投げすればいいだけだからです。

 
 

現場のことをよく理解してない人が、職人に工事を託すということは工事品質を確保するという点においては、よほど職人との間に信頼性がないと品質が不安定になってしまうのはごく当然のことです。

それでなくとも下請けという状況下の元、赤字との戦いで作業している職人さんは少なくないのですから。

 
 

なのでお客さんからすれば、ただ一級塗装技能士を持っている職人が作業すればいいということで済ますのではなく、職人が開業した業者、つまり職人創業の業者を選ぶのが本当の正攻法な業者選びだと思います。

じゃあ職人創業の業者とは?という答えが、「代表者が一級塗装技能士」という答えに最終的には行きつくのです。

 

でも本当に今は資格やら認定という業者さんが増えましたね。

今日の研修でも、防塵マスクの話が出ました。

重大な健康被害を引き起こしたり、最悪死亡事故にもつながってしまう作業においての話ですから、防塵マスクにもとても厳しい国やJIS規格の認定が必要だそうです。

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なので防塵マスクには、認定が下りたシールが一か所ではなく、結構あちらこちらに貼られていて、機能が変わらなくともシールを剥がしただけで認定されたものとはみなされず、もし事故が起きた際には労災が下りないなどのリスクなどもあくまでも可能性ですが、それも否定できない等の話も講師の方が話されていました。

P1020988

なので国や行政等の認可というものは厳しくもあり、当然かもしれませんが信頼性が高いということの証明なのですが、また業者選びの話に戻ってしまうのですが、サイディング何とか資格やら雨漏り診断の資格やら、講習だけで取得できてしまう民間の資格などを意図的に信頼性の高い資格と偽るような形でクローズアップしている業者さんもとても多くみられます。

 
 

まぁそれもビジネスと捉えれば、とても頭のいい方法なのかなとも思いますけどね。

それにしてもネットの情報というのは、ちょっとだけの調べものには重宝しますが、重要なことに対しては一歩下がって変な話、斜めから見た方がいい場合もありますね。
 
 
自分の業界をみていると、最近は余計ほかの情報もそう見てしまうようになってしまいました(笑)


カテゴリ:塗装業界 ,技術

2016年8月31日

外壁塗装の下請け脱却。成功した私の事例。

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最近、塗装業者に外壁塗装の営業方法や契約をとるためのノウハウを教えるという、「外壁塗装コンサルタント」と言う職業の方が多くなってきました。

 

塗装の技術は何一つ教えることなくあくまでも売り上げを伸ばすことだけに特化したコンサルです。

 

 

塗装技術も教えられて、売り上げを伸ばすことができるという両方万能なコンサルはいないとは思いますが、まぁ売り上げアップのコンサルタントは増えてきている感がありますね。

そうした職業の方が増えると、外壁塗装を検討している消費者は混乱してきます。

 

消費者は良い工事を親身になってやってくれる業者さんを探すのに一苦労しているわけで、もし工事の質が伴わずに契約率を上げるためだけの業者がさらに多くなれば、間違った業者選びの選択の可能性も高まってきます。

 

まだ現場で汗水流して働いてきた職人さんが仕事をとるために契約率を上げるための努力は、技術はそもそも伴っているでしょうからそれは理にかなっていると思います。

 

でもこの業界はそういう業者さんだけではありません。

 

どちらかといえば、職人さんでもなく、現場をよく把握できていない業者さんのほうがネット上では断トツに数が多いので、結果そういう人が契約率を上げるためだけの手法を学んでしまうと、工事品質がスカスカになってしまう工事が増えてくる可能性が経験上非常に大です。

 

 

どの業界でもそうですが、コンサルタントを受けるには、セミナー代や教材代などのコンサル費用の出費が結構高額に掛かります。

 

それで売り上げにつながれば本望なのでしょうが、外壁塗装は残念ながら実績と技術が伴っていなければ、ノウハウだけですぐに契約率が上がるものではありません。

 

「実績や技術などを積むことが必要だ」ということ自体がノウハウだと言われれば言い返しはできませんが・・(笑)

 

 

3年ほど前、うちに大手リフォーム営業で優秀だった営業マンが、宣伝を兼ねて工事着工のご近所挨拶を手伝ったくれたこともありました。

 

もともと20数年前に努めていた会社の同僚だった営業一筋の人間で、売り上げを上げるためにも一生懸命手伝ってくれたのですが、外壁塗装の契約は一件も取れずやめていってしまいました。

うちには実績や技術もあるとは思ったのですが、残念ながらそれでもダメでした。。

やっぱり大手リフォーム会社で優秀だったというのは、その会社自体のバックボーンの影響が大きかったのかなと、それと会社がしっかりしていても外壁塗装の場合は、リフォームの中でも断トツに営業マンが多く、中には悪質の業者も存在するため、ご近所だからと言ってはいそうですかとすぐに耳を傾ける状態ではなかったのだと思います。

 

その同僚が今まさしく外壁塗装のコンサルタントとして、「下請け脱却」をテーマに本などもを出版し塗装業者さん相手に、独立して売り上げを上げるためのノウハウのセミナーをやってるようで驚きです。

 

下請け脱却といえば、私にもちょっとだけ長い間つらい下請け時代がありました。

 

だから下請けをやめて、直接お客さんから仕事をもらうことが一つの目標でした。

 

そして今があるわけですが、それもコツコツと現場で技術を学んで実績を積み、たくさんのお客さんから信頼してもらったおかけです。

 

現場や技術についてよくわからなければ、契約して売り上げアップにつなげるということだけに的を絞った話しか出来なくなります。

 

そうなってくると工事品質は度外視され、見た目が良くても長持ちしないという工事が今以上に多くなってくるような気もします。

 

間違った情報もさらに拡散すればややこしくなりますね・・

 

ネットを見ると机上の知識で学んだ情報が目につき、リアルの現場とは程遠いな~というのがホント多いからです。

 

見積調査の時でも多勢に無勢という感じで、本当のことを言っても中々信じてもらえず、ネット上の情報を信じ込んでしまうお客さんも中にはいるので、多勢に無勢に仕方なく従ったりしますが・・

 

 

私的にはヤフー知恵袋やユーチューブ、はたまた自社のWEBサイトなどで、出来るだけ正確な情報を伝えているつもりではありますが、さらに気合を入れなおさなければいけませんね。

 

すべて正確なのかと言われれば、私も職人としてはまだまだ未熟の域は否めませんのでそこまで偉そうには言えませんが・・

 

特にこの動画なんかは昔の私のものですが、足場は自分たちで組んでいるので雑で現場はがちゃがちゃで評価も低いのであまりお見せできるものではありませんが、お金がなくて極力経費をかけないようにしつつも品質だけは自分なりに厳しく徹底して頑張ってました。

 

ちょうどこの頃ぐらいから下請けをやめてガイドブックを書いたりして、徐々にお客さんから認めてもらって仕事をとることができるようになりました。

現場にパソコンを持ち込んで書き上げていたりもしましたね(笑)

チラシも作りミニコミ誌などの地域情報誌にも「失敗しない外壁塗装ガイドブック!!」という触れ込みで広告を出していたりもしました。

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もう15年も前の話です。

集客は誰にも頼ることなく、すべて自分一人で考えながらやってました。

これまでの人生の中で脳も体も十二分に使い果たしていた頃です。

 

でも集客だけ専念しても絶対お客さんは認めてくれないと思っていたので、懸命に練習をして一級塗装技能士も一発で取りましたし、どんな家の状態でも最適な仕事ができるように常に最新の塗料の勉強と自分の腕も磨きました。

 

本当の意味で、まじめに仕事に取り組んでいる職人さんが日の目を見るには、コンサルも時には必要かも知れませんが、その前に技術関係のことをしっかりするべきです。

 

コンサルタントの言うがままにして、順番を間違わないようにしたいですね。


カテゴリ:塗装業界

2014年11月19日

塗装業者にとって一級塗装技能士なんて意味ない?

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外壁塗装とビジネス

試しにこの検索語で検索してみたら、いや~出てきますね(笑)

 

塗装業の参入チャンスとか、集客爆発営業みたいな感じで、どうりでインターネット見ても、ここ最近名前の聞いたことがない業者さんがやたら多くなってきたなーというのも納得できます。
以前からもそうでしたが、最近は益々という感じです。
心配なのは、現場とか技術が置いてけぼりで、ビジネス先行ばかりになってきてしまわないかということですね。
私もビジネスにはとても興味ありますが、ただこういうものを見ていると、ペンキだらけになって汗水たらして仕事する現場が蚊帳の外にされてしまっているような気がしてなりません。
このような営業手法がいけないということよりも、やっぱり塗装の専門性としての経験や技術があってこそ成り立つものだと思っています。
 
たぶんまだ経験の浅い業者さんや、これから塗装業を始めようと思う人が早とちりしてしまい、そういうものに頼ってしまうのでしょう。
 
 
さらによく見てみると、現場での技術的なことや工事対応のことは一切触れていないものがほとんどです。
集客だけに特化してますね。
本当に塗装業をするなら、集客も当然必要ですが、一番大事なのは工事の質とクレームなどの何かあった場合などの工事後の対応です。
もちろんお客さんの対応は重要ですが、それらは契約目的のためのお客さん対応ということに主眼が置かれているようです。
どうなんでしょうね・・
真剣に塗装店をやっている業者さんから見れば、業界全体が今こんな感じですから、かなわないって思う人も少なくないんでしょうね。
 
 
でもこういうのを見れば、これから塗装を検討する人も、業者選びをする際に何かのヒントになるかも知れません。
 
こういうと、うちの会社自身がそうなので、こういうブログなどで自分からの発信はあまり気が進まないのですが、本当にそう思うので仕方ありません。
ちなみに公益社団法人の神奈川県塗装協会の会員さんも塗装技能士が多いですよ。
だから現場で何十年も自慢の腕をふるってきたそういう本当の業者さんがいる一方で、ビジネス先行の業者さんが増え続けているのを肌で感じると、技術的に関する情報発信にも力が入ります。
 
お客さんから見ても、その差を感じてくれるのは難しいと思いますが・・
 
 
 
ここまで一級塗装技能士が報われていないのは、現場を知らない普通の人から見ると資格というのは少しややこしいからなんですよね。
 
 
家の外壁塗装とはほぼ関連性のない、施工管理技士や建築士などもあったりして、そのほか民間の資格やその会社が命名した何とか診断士というものなど、まぁそれはいくらでもあります。
 
 
 
 
そして一番報われない理由は、厚生労働省をはじめ、管轄の職業能力開発協会の啓蒙活動などが行われていないせいでしょう。
 
 
これは確実に言えます。
 
 
私が一級塗装技能士をとった11年前。
 
資格を取ると金バッジみたいなものももらえるのですが、それにはこんなことが書いてあります。
 
 
「技能士章は技能検定の合格者に常時着用していただき技能士としての誇りを持っていただくとともに、技能士は素晴らしい技能をもっていることを社会にアピールするため厚生労働大臣が交付するもので、昭和41年に制定されたものです。技能士章のデザインは、技能の枝の字を中心とした光とその間を結ぶ菊花によって構成されています。光は技能の輝きを表し、菊花は技能士のもつ名誉と誇りを表しています。あなたのご活躍を心より期待しています。厚生労働省」
 
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と、まぁなんて勝手な・・・。
 
はっきり言えば人ごとですね(笑)
実際に受験案内だけで、資格取得者を応援するためのアピールなんてしてないんですから。
現状の塗装業界を見れば一目瞭然です。
一業者が資格を社会にアピールする力なんて普通はないわけですから、アピールするのは厚生労働省のほうで貪欲にしてもらいたいですね。
うちの会社のほうが、厚生労働省よりも何十倍アピールしていますよ。宣伝費もらいたいぐらいです(笑)
ちなみに一級塗装技能士を受験するためには、講習やら学科や実技のために用意しなければならない書籍や材料、道具などを含めて、実質1回で6万円前後の技能検定料かかります。
それが神奈川県だけでも百何人、全国レベルでみれば数千人いるわけですし、しかもこの数字は塗装だけではありません。
技能士というのは塗装だけではなくて、食品や衣服など他の職業もあるわけですから、啓蒙活動に少しでも役立ててくれれば、多くの一級塗装技能士の職人さんも仕事で困ったり、無理して赤字覚悟の下請けをする人も少なくなるのではないのかと思ったりします。
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カテゴリ:塗装業界 ,技術 ,職人

2014年6月3日

相見積もりの価格差に悩む外壁塗装の高い理由と安い理由

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今は見積もりは複数の塗装業者さんに頼むことが多くなってきた感があります。
安売りの外壁塗装もここ最近よく見かけます。

お客さんにとって安いことは魅力的ですよね。

価格は大事な要素ですから当然です。

ところがお客さんは、かえってこの状況に悩みに悩んでしまいます。
業者それぞれの見積書を見ても、わかるのは合計金額がいくらになるかだけで、内容の違いがわからないのですから。

もちろんどんな塗料を使うかとか、工程も書いてはあります。
でもそのどれが正しいのか、本当に質が良いのかサッパリ見当がつかないというのが実情です。

 

しかも業者の見積もり書は、それぞれ項目がバラバラで様式も統一してありません。

その上、業者に質問してもデメリットの話なんてまず出てきません。

 

「長持ちします」
「塗料は高級です」
「しっかり手順と工程を守ります」

 

お客さんの身になって考えると、もし安売り価格の塗装工事なら、安くなる分だけ欠点になる可能性も正直に話してほしいと思うところです。
仮にその欠点がカバーできるなら、価格は少しぐらいなら上乗せでも仕方がないと考えるかもしれません。

 

お客さんはとにかく正確な情報がほしいのです。

ところが今の塗装業界の現状は、ネットを見ればご覧のとおり、バナナのたたき売り状態です。

では、外壁塗装を行う業者側の企業努力で、安くできるものとは一体何でしょうか?
そしてその安さとは正当なものなのでしょうか?

 

1.塗料をまとめて仕入れるから安い!

家はそれぞれ傷み方も違いますし、仕上がる色も違います。要するにその家の状況にとって一番最適と思われる塗料の種類とお客様の希望の色で、使用する塗料はある意味「千差万別」になります。

もし業者がまとめて大量に塗料を仕入れるから安くなるとしたら、それは業者の都合のいいような仕入れ方というだけでお客様の都合に合わせた仕入れ方法ではありません。

なので、業者によってはできるだけ同じ色を使ってほしいという都合から、契約時の色選びの段階で色の制限があると後から聞かされる羽目になる場合もあります。

ただ色選びにこだわらない場合は、多少なりとも安くなる可能性はあります。

といっても、一般の家の大きさで言えば使用する塗料の消費量は10缶行けばいいほうです。

塗料というのも、フッ素や断熱塗料などの特別高価な塗料を除けば、塗料の価格差は例えワンランクの塗料の違いで1缶2千円いけばいいほうなので、それが数量も10缶行ったとしても2万円の違いです。

そういうことは一般の方は知らない場合が多いので、本当はそれほどの価格差だとしても、外壁塗装工事費という合計の名目になると10万円の価格差になったりします。

それはそれで商売のやり方の違いで必ずしも違法とかそういうことではないにしろ、無駄に支払う必要もないのかと思うので、その辺慎重になりましょう。

 

 

2.自社施工だから安い。

よく「自社施工」とか「下請け施工」で工事品質が違うようになるとも言います。

一般的に言うのが下請けだと中間マージンがあるのでその分品質が低い工事になるということ。

昔大手塗装会社に下請け業者として勤めていたころの私自身がそう感じたことでした。

どんなに忙しく動いても、足場も自分たちで掛けたとしても普通に仕事していては赤字になる一方のとても劣悪な環境の下で仕事していました。

でも経営側になってくるとそれは一変することがわかってくるようになりました。

実際にこの業界を長くやっているものとしての感想は、職人の管理が優れている塗装業者であれば自社施工、そうでないのであれば下請け施工に軍配が上がります。

ただ職人の管理が優れている場合でも、管理する方の人間、例えば会社を統括するような立場の社長クラスの人間に実務経験がなければ自社施工だとしても、事実上良い品質の施工をすることは困難です。

いずれにしても職人の仕事に対する考え方や人間性にも深く関わってきます。

おおまかにして消費者であるお客様が業者選びの判断するための材料としては、資格を持ち合わせていない職人よりかは、一級塗装技能士の場合決して合格率が高くない試験を受けるべく仕事に対する志を持っているということも言えるため、自社施工や下請け施工にかかわらず一級塗装技能士の施工はお勧めするべきことだと思います。

 

3.足場代がタダになる、もしくは安くなる!

よく聞かれるのが、近所で工事をしていて足場代が安くなるとか無料になるということです。

でも足場代が決してタダや安くなることはありませんし、そのような理由になる紆余なものも何一つありません。

ただ塗装に知識がない人からすると何となくそう思えるようです。

塗装は車や電気製品のように、大量生産で同じ質のものをつくることはできません。

ですから「まとめて○○するから」と、安さを提供することには無理があると思ってください。

これは10年以上前から、私たちが発行する「塗装ガイドブック」でも多くの方にお知らせしてきたことです。

だからといって高額価格を正当化するのではなく、価格だけを見て決めないでほしい、慎重さを失わないでほしいという事なんです。

写真付きのカタログのような、きれいな見積書や診断書、DVDなども同様です。

診断書や見積書の内容が、必ずそのまま工事に反映すると思い込んでしまうことにも注意しましょう。

業者からお客さんには、工事内容を記載した書類が提出されています。しかし職人は、会社との信頼関係次第で、書類の内容を無視して工事をします。

渡されている書類は、お客さんが契約しやすいように業者が作成しているものだと、少し冷めた目で見る必要があります。

電化製品の取扱説明書のように、正確に機械を作動させる目的のものとは意味がちがいます。

ちなみに現場重視で動いている業者さんほど、きれいに整ったカタログや書類とは無縁だったりします。

そこまで手間を掛ける技術も時間もなく、何より営業力がありません。

 

知り合いの一級塗装技能士で職業訓練指導員の業者さんの何人かは、いまだに手書きの見積書と名刺一枚で営業しています。
すごく素っ気なく汚いですよー(笑)

 

でも本当に正確な情報を知りたいなら、その業者さんの事務所に直接足を運んでみたり、完了直後よりも塗装して数年経過した家を見せてもらったほうがどんなにか現実的です。

問い合わせで一番多いのは「○○塗料は長持ちしますか?」というお尋ねです。

塗料の質で耐久性がものすごく変わる、というような情報があまりにも多いものですから、お客さんの関心が塗料の質だけに集中してしまうのですね。

 

しかし根本的な問題はそこにはありません。

それは一つの要素でしかないのですが、それがすべてであるかのような錯覚をしてしまうのです。

これまで私は塗装工事を依頼するための重要なポイントを伝えてきましたが、まだまだこの点に関して、認識が浸透していないと感じています。

まず下の動画の方は11年前、私がまだバリバリに職人をしていた頃のお客さんでこちらが当時の作業写真です。

 

当時の相見積もりでは、一番安い業者さんと比較してうちが30万円高かった、と本音で話して下さいました。

確かに当時そのようなことを聞かされていたなーと、思い出したのですが、今改めてこれ聞くと、そこまで勇気を出してうちを選択してもらったのだと再認識させられました。

高い価格を正当化するための話というよりも、安い業者さんもそうでない業者もそれぞれ価格の基準が明確ではない部分があります。

 

たとえば築10年ではじめて塗装をする家と、築20年で塗装する家では、それぞれの処置の度合いは変わってきます。

当時築25年は経過していたこのお家を長持ちさせるために、絶対必要になる手間と塗料、そして足場の値段を元に算出をさせて頂きました。

 

それから言い忘れましたが、これも絶対覚えておいてほしいことの一つです。

 

「一級塗装技能士」の資格は職人ではなく、その業者さんの社長さんが保有していることに着目してください。

もちろん職人さんも取得していればいうことありません。

一級塗装技能士の社長さんなら、社長自身が職人だという証拠。

 

何を言いたいのかといえば、「塗装の職人が創業した業者」なのかを見極めたほうが塗装業者選びに雲泥の差が出るということです。

 


カテゴリ:塗装業界 ,技術

2007年3月6日

外壁塗装の価格の根拠について騙されない確かな目を持つ

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チラシ広告などは、はじめから消費者に価格を表示する必要があるので、安さを魅力として打ち出しています。

 

ただ業者の目線で見ると、塗料の種類ひとつとっても、質に深くかかわる肝心なことは明記されていないことがよくあります。

 

塗装工事の方法も、業者によってやり方は様々です。

しかし品質を保つために守らなければならない「仕様」というものがあります。

 

つまり、塗料メーカーは

 

「品質を保つために、このとおり作業してください」

 

と使用する業者にたいして規定を示しています。

 

ところが「規定どおり」といっても簡単にできるわけではありません。

実際には非常に手間と時間が掛かります。

 

現場には、手を伸ばしてやっと届くような場所や、ほふく前進のようにして寝転ばなければ塗れない場所などもあります。

 

足場の上にのぼって見ない限り、確認する事ができない場所もいくつも存在します。

 

塗装の過程でも、同じように手間のかかる作業があります。

 

お客さんが目で見て把握できてしまう作業より、塗れば隠れてしまう作業の方が、どちらかといえば耐久性につよく関わるものです。

 

隠れてしまう作業だからこそ、人間性や仕事に対する思いによって質が左右されます。

 

飲食店のチェーン店は、どこも味がおなじですが、それは統一したレシピがあるおかげです。

 

トヨタ自動車のどこの販売店で新車を買っても、品質は一緒です。

 

しかし塗装工事はちがいます。

 

たとえ高品質塗料で統一し、工事内容が厳しく管理され、同一の会社で工事をしたとしても、職人が変わればほとんどの場合、統一した品質を保つというのは困難です。

 

積み上げられた知識や経験があっても、仕事への思いがなければ、作業するのが困難な場所や労力が必要になるほど、仕事内容の差は広がっていきます。

 

だから、どんなに忙しくても知り合いの仲間の職人以外に仕事を頼む事ができません。

それはお客さんが信頼できる職人にしか工事を頼めないのと一緒です。

 

見積書を作っているときによく思うことがあります。

 

「規定どおりの作業」に、時間と手間がかかるのはあたり前。

でもそれについて知らなければ、だれでも安い見積書に魅力を感じるだろうと。

 

塗装は予算に応じた工事が可能です。

 

たとえば100万円かかるところを、予算が50万円なら50万円でもできます。

 

それは完成された製品を買うのと違い、注文を受けてから製品自体の質を変えることができるからです。

 

でも、その質の差がはっきりわからなければ、価格だけで判断されてしまうことになりかねません。

 

車のエンジンや、霜降り肉など、明らかに質の違いが判断できる数値や見た目の差があればいいのですが、塗装の場合はわかってもらうには難しいものがあります。

 

ですから質の高い工事を求めるなら、見積もりを依頼するときには、予算は絶対に言わない事です。

 

予算を伝えれば、質を落として無理にその予算どおりに仕上げる可能性があります。

それだけでなく、伝えた予算より本当は安くなる工事でも高く吊り上げられてしまう可能性も否定できないからです。

 

最初の見積もりから、2割~4割の値引きにも疑問を持つべきです。

 

最初の価格は、後から値引きされる価格が割安と感じられるよう演出するための価格かもしれません。

そのような価格提示をする業者からは、品質のいい工事はイメージできないからです。

 

仮に最初の見積もりが本当の価格だとしても、それだけの値引きをしたら、工事に影響が出ないはずはありません。

 

また「一式坪○○円」というものにも、注意が必要です。

 

たとえ同じ大きさの家同士でも、価格は同じにはならないからです。

 

工業製品やたくさんの材料を使って作るものは、材料の工夫や仕入れの仕方などで努力をすれば質を下げずにコストを下げられる余地が生まれます。

そういうものとは違い、塗装工事が提供するのは、ほとんどが形として見えない手作りの作業です。

 

さらに、あまり長い間、足場を組んであるのもうっとうしいですが、あまりに早い工期を示されたときも注意が必要です。


カテゴリ:塗装業界

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