こんにちは。職人の近藤です。
現在は横浜市旭区でアパートの塗装に取り掛かっています。
アパートの塗装で特徴的な部分というと、各部屋毎にガスの配管がある事です。
しかし、こういった部分に困ってしまう事があるんです。
写真はガスの配管と外壁とが競っている部分です。
そしてほとんどの配管と外壁との境に、雨水対策として「シリコン」のシーリングが打たれています。
これ、本当に困るんですよね~。
何故かというと「シリコンの上には塗装が出来ない」&「養生のテープすら付かない」からなんです。
上の写真のピンクの部分がシリコンが打たれている箇所です。
下の写真が養生を行なった後です。
一般の方には「この程度大丈夫じゃないの?」と、思われるかもしれませんが、住宅をきれいに見せる方法として塗装職人が行なっている技術は
「隅々やラインをキレイに仕上げることで、塗装全体の見栄えを良くする。」ことなんです。
勿論、外壁全体にも心配りをしています。
しかしシリコンで施工されているとコレが難しくなります。
シリコンコーキングは施工時には透明でキレイなのですが、経年劣化で黒く汚れてしまいます。
しかも外壁に施工してある殆どのシリコンコーキングはマスキングテープを使ってキレイにラインを出していないため、グチャグチャ。
内装の風呂場や洗面台はマスキングして施工するのですから、外壁も同じようにして施工してもらいたいものです。
また、酷い例ですと手やガンに付いた余分なシリコンを外壁に塗りたくり落としている業者もいます。
最初は透明で分からないために気が付かず、数年経って黒く変色してしまい、塗装施工時に仕方がなく劣化したシリコンをこそぎ落すのですが、これも厄介です。
また逆プライマーでシリコンの上に専用プライマーを使って施工する方法もありますが、普通の塗装と比べて径年劣化に弱くどうしょうもありません。
ガス屋さんや電気屋さん達は自分たちの施工をした数年後に、塗装工事が行なわれる事など考えて無いかもしれないですし、美観も・・・
その部分が改善できたなら、お客様の住宅がもっと輝けると思うのですが如何でしょうか?
しかし最近は変性シリコンを使ってくれる業者さんも増えたようですし、今後は外壁にシリコンで施工されるのであれば、マスキングで養生を行なって、少しだけ美観にも意識を持ってもらいたいですね~
あっ!他業種の悪口みたいになってしまいました。明日は我が身ですスイマセン。
人様よりも自分自身が職人として腕を磨いていかなければ!
本日は養生作業でした。
では、今週も日々精進します。
それではまた。
今日は、市川です。
只今の現場は旭区のアパートの塗替えです。
今回は屋根から施工を行ないました。
アパート屋根の代表選手「折半屋根」です。
この「折半屋根」は鉄製のために錆びてしまっている場合が非常に多く、塗替えの下処理として「ケレン」を行ないます。
ケレンとはサビ取りだけではなく、古くなった塗膜の剥がれも取り除く作業です。
今回の現場では錆びはそれほど酷くはなかったのですが、やはり旧塗膜がササクレ立っていました。
塗装用語で言うトコロの「花が咲いている」といった感じでしょうか。
これを丁寧に皮スキ&ナイロンたわしで削り取っていきます。
しかし、ケレンと言っても色々な方法があるんです。
ディスクグラインダー等で機械的に削る方法や、デッキブラシ型の硬めのワイヤーブラシでケレンする方法、皮スキ(スクレーパー)で削る方法、大型の長柄の皮スキで削る方法やナイロンたわしで落とす方法などなど・・・様々な方法があります。
また、ナイロンたわしで平滑な面をワザと傷を付ける(目荒し)も同時に行なっているんです。
目荒しを行なうことで被塗面の表面積が増え、塗料の密着性が高まる他、ツルツルの被塗面に小さな傷が付き複雑な形状に変えることによって、乾燥、収縮による剥離がおき難い塗膜が形成されます。
「下地がガサガサになったら、塗装後もガサガサですか?」
心配はいりません。
目荒しの跡はサビ止め、中塗り、上塗りで消えてしまいます。
また、住宅塗装では目荒し(目粗し)と言いますが、自動車やバイクなどの板金塗装用語では「足付け」と言います。
次にケレンが終わりましたら、しっかりと掃除をします。
ほうきでゴミを取り、その後業務用のブロアーで細かい粉塵を一箇所に集め、最後にほうきとラスター刷毛でゴミやチリを全て除去します。
その際、雨樋の清掃も行ないます。
このケレン作業は下地作りの大切な工程です。
劣化して剥がれた塗膜や、ガサガサに浮いた錆びや、砂埃の上に塗装しても直ぐに剥がれてしまいます。
「始めよければ終わりよし」とでも言いましょうか、こういった気持ちで、確実に剥がれやサビを取り除きます。
しかし見て下さい。この広さですよ。
この広さをひとつひとつ、手で作業していきます。
ある意味ケレンは「精神鍛錬」です。
同じ体勢で、足元は変則的で、腕も悲鳴を上げるキツイ作業です。
身体が辛くても、手を抜けば長期耐候の塗膜にはなりません。
わたし達は職人です。こういった部分にプライドをかけてお客様に塗装を提供しています。
明日は天気が良ければ下塗りです。
しかし冬場の屋根塗装は夜露や霜を避けるため、15時位までしか作業が出来ませんが、逆に横浜は12月が年間降水量が最も少なく、晴天率が高いんです。
これから晴れの師走は塗装屋にとってラストスパート、気合を入れて頑張ります!